ASEANの現場から見えたこと
AIが社会に広がる中で、「導入すること」自体はゴールではなくなってきました。
大切なのは、それをどう現場に根づかせ、継続的に活用していけるか。結局のところ、
その中心にいるのは人です。
私たちはバングラデシュのパートナーとともに警察、医療、メディアといった分野で
AI実装を進めてきましたが、共通して見えたのは「人がいなければ技術は定着しない」という
シンプルな事実でした。
「AIを使える人」がまだまだ足りない
警察業務では、犯罪予測モデルを導入しても、それをどう解釈し日常の巡回に活かせるかは現場次第です。
医療でも、AI診断を鵜呑みにせず、誤検出を見極められるだけのリテラシーが必要です。
フェイク画像検知のように、社会や政策まで視野に入れる力が求められる分野もあります。
つまり、AIを導入するだけでは不十分で、それを使いこなせる人が不可欠です。
ASEANにおける人材不足の背景
ASEANで人材育成が課題となるのは、単なるスキル不足ではなく
「実装できるチームが育たない」ことにあります。
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教育と企業ニーズのギャップ
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優秀層が大手テック企業に集中
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若手の転職・副業志向による定着の難しさ
この構造的な課題が、AIの活用を阻んでいます。
答えは「育てる」こと
そこで私たちが選んだ戦略はシンプルです。
「優秀な人材は奪い合わない。自分たちで育てる。」
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地方大学と連携し、粘り強い学生と出会う
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大学2年生から参加できるプレ・インターン制度を用意
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2年かけて育成し、卒業後はリモート勤務も可能に
時間をかけて人を育てることで、単なるアシスタントではなく、
自ら考え提案できる人材へと成長していきます。
人が育つと、プロジェクトが変わる
こうして育った人材は、警察庁の犯罪予測や医療AI導入といったプロジェクトに関わり、
改善案まで出せるようになりました。
これは労働力の確保を超えて、「地域に根づいた自律的プレーヤー」を生み出すことにつながっています。
結論
AI活用の成否は、技術そのものではなく「人」にかかっています。
外から高額で採用しても長続きはしません。信頼を築きながら育てた人材こそが、チームに残ります。
ASEANでAIを根づかせるには、人材育成こそが前提条件。
そのことを、私たちは日々の現場で実感しています。
弊社ではいま、機械学習に強いバングラデシュの大学とMoU締結準備を進めており、
同時に現地のシステム開発会社とも協業しています。次回はバングラデシュとの協働からみえる
ASEANの未来について綴ってみたいと思います。