2024.03.02
売上にダイレクトに直結。
ECサイト改善コンサルティング事例を大公開!
コラム
ECサイト改善コンサルティング事例
BtoBの自社製品のみを取り扱うECサイトの改善コンサルティングおよび改善施策を行いました。
お客様の悩みは以下で、これらの解決をお手伝いしました。
- 自社ECサイトが使いにくいことはわかっているが、どこがどう使いにくいのかわからない
- どう改善したらいいのかもわからない
- ある時点からオーガニック流入が激減して焦りを感じていた
- サイトにどれくらいのポテンシャルがあるのか、どうあるべきなのかなど、サイトの方向性を決められない
- SEOのナレッジが社内になく、どのようにWeb集客すればいいのかわからない
- 自社は業界ではメーカーとして著名であるにも拘わらず、従来の販路にいつまでも依存していることに危機感を感じている
ECサイトで取り扱う商品はすべて自社製品で、単価は数十万~数百万円の高額商品、
ECサイトの顧客のほとんどが法人とのことでした。
そこで以下のポイントに沿って具体的な改善を行いました。
サイトの現状分析
Google Analytics(GA4含む)からサイトへの流入経路やCV経路、
シーズナリーなどのトレンドを分析して把握します。
またGoogle Search Consoleからどのようなクエリでサイト流入しているか、
SERPs(検索結果)の見え方や、CTR推移などを把握します。
すべてのビジネスは時勢にも左右されるため、マーケットや時勢の状況をヒアリングし、
サイトの各種データの推移を評価します。
当該ECサイトでは、流入の半分がオーガニック検索、
もう半分がサブドメインのコーポレートサイトからの流入であることがわかりました。
したがって、オーガニック流入を増やすSEOだけでなく、コーポレートサイト自体への流入や、
コーポレートサイトからの導線改善も重要であることが新たに判明しました。
さらにオーガニック流入の激減の理由は、当社が分析を行うより数か月前に、
ECサイトのCMS引っ越しを行い、その際にリダイレクト施策が抜け落ちていたために、
旧CMSのすべてのページが404となったことで、
SEOにおけるGoogleの評価がすべて再評価となったことが直接の原因と判明しました。
また、サイトの顧客はWindowsユーザーが多いにも拘わらず、
Windowsのデフォルトにないフォント「ヒラギノ」を使っていたことで、
意図なくWindowsユーザーのUIを悪化させていたことが判明しました。
競合分析とサイトの方向性の決定
SEOの観点では、売上に直結または間接的に関連する、
または競合が上位表示しているクエリに注力して、コンテンツを整備するなど施策を行うことが重要です。
Google Search Consoleの分析を行ったうえで、本来上位表示すべき、
クライアントのビジネスに直結・関連するクエリに限定し、競合分析を行いました。
しかしビジネスに関連するクエリの検索ボリューム自体が100~200など比較的少なく、
たとえそのクエリで1位を取ったとしても見込まれる流入数が限られていることが判明しました。
そのため、リソースを投下してSEOのコンテンツ改善・制作するよりも、
ECサイトの使いやすさ、UIを改善して、サイトにランディングした確度の高い顧客のエクスペリエンスを
高める施策を優先することが肝要と、ECサイトの方向性を位置づけました。
※BtoBのビジネスでは、SEOの観点でWeb集客のためにコンテンツ制作しようにも、
そもそも検索ボリュームが少ないことがよくあります。
そのような場合はたとえ1位など上位表示しても見込まれる流入が少なく、
費用対効果が低いことがあります。 したがってSEOよりも広告にリソースを投下すべき、
または現状のサイトのユーザーエクスペリエンス改善に注力すべきというケースはよくあります。
ただしECサイトの単価がとても高い場合は、それでもSEOのコンテンツ改善・施策に
リソースを投下するべきケースもあります。
今回のクライアントの事例では、コンテンツ改善・制作の優先度を下げるという方針となりました。
ヒートマップなどを利用した詳細なサイト分析からの改善施策への落とし込み
Microsoft Clarityなどのヒートマップを導入して、
サイトにランディングしたユーザーがどのようなアクションを取っているかを分析しました。
デッドクリックや期待と反したユーザー行動があれば、具体的な改善施策に落とし込みます。
当該サイトでは、ヒートマップの導入により、
ファーストビューのメインビジュアルの一部のバナーが想定よりクリックされていないということが判明しました。
したがってメインビジュアルのバナーを詳細にプランニング、リデザイン、
およびABテストを行い、機会損失を減らすという施策に落とし込みました。
バナーの制作では、Web広告のバナーと同様に、訴求軸の異なるクリエイティブを用意し、
ユーザーにより刺さるバナーを定量的に測ることとしました。
さらに左サイドバーのメニューも想定より使われていなかったことがわかり、
ユーザーにとって使いにくいUIであることがわかりました。
そのため、左サイトバーのメニューを売り手目線ではなくユーザー目線で整理し、より使いやすいUIに変更しました。
売り手自身が購入者のユーザーファーストの視点で自社サイトを評価するのは、
多くの企業にとって大変難しいことです。
当社の経験と実績、知識から、お客様のサイトを第三者視点、
ユーザー視点で評価することで、ゼロベースで改善点を洗い出し、施策に落とし込むことが可能です。
コンテンツの改善
当該ECサイトでは、アクセス解析によって、サイトにランディングした確度の高い顧客が、
既存の商品の選び方コンテンツに興味を持っているということがわかりました。
そこで、既存のコンテンツページの改善提案を行い、CTAのクリック率アップに貢献しました。
- 既存の選び方コンテンツでは、以下のような課題がありました。
- 文章量が少ない
- 商品カテゴリごとのメリットデメリットがわかりづらい
- CTAのリンク先が不適切
- CTAへの誘導が顧客にとって不親切でわかりづらい
- ページのデザインの印象が暗く問題がある
- コンテンツ構造がわかりにくい
既存コンテンツは、売り手目線でセールス色が強く、
デザインの側面でもECサイトの顧客にとって参考にしづらく使いづらいページでした。
そのため顧客はランディングしてはいるものの、なんのアクションもせずにすぐに離脱するなど、
売上につながりづらく、大きな機会損失となっていることがわかりました。
そこで上記課題の改善になるような細部までに気を配ったコンテンツを改善、
制作し、CVRのアップを実現しました。
特にCTAのテキストやUI導線の改善、デザイン改善、顧客視点でのコンテンツ構成の変更は、
実績のある当社ならではの視点が大きく貢献しました。
成果検証
コンテンツ改善やサイト改善の結果、改善前とどのような変化があったか定量的に検証します。
SEOのコンテンツ改善・制作であれば、Search ConsoleやGRC、
その他の順位取得ツールで順位変動を検証したり、サイト改善であればGA4などで流入分析を再度行います。
また分析に導入したヒートマップなども活用して、ユーザーの行動変容を検証し、成果検証を行います。
改善結果
当該ECでは、メインビジュアルのリデザインを行ったことにより、
以前より格段にメインビジュアルのバナーのクリック率が上がりました。
バナーおよびバナーのリンク先ページでは、ECのフラッグシップモデルの商品を訴求しています。
すぐに購入には至らずとも、サイトの訪問した確度の高いユーザーに訴求することで、
フラッグシップモデルのアウェアネス獲得に貢献しました。
また、もともとターゲットクエリで2ページ目(13位~15位)をうろうろしていましたが、
サイト改善後半年でクエリ1位を獲得いたしました。